小田志の空は今日も青い。慶長年間李朝陶工たちが空を見上げながら無心に轆轤(ろくろ)を廻し作り伝えた長い歴史と伝統に培われた技術に心ひかれ、人の心に優しくつたわるものが出来たらと思います。 朝鮮古陶磁に流れる清楚静寂素朴な奥行の深さを少しでも具現できるように努力いたして居ります。 規窯 井上浩一 |
唐津焼の魅力
唐津焼の歴史
唐津(現在の佐賀県唐津市)は対外交易の拠点であったため、安土桃山時代に陶器の技術が伝えられ、その積出しが唐津港より行われていたことで「唐津焼」の名称となったと言われています。
本格的に作られるようになったのは、文禄・慶長の役の頃からと言われています。この頃に朝鮮から連行された陶工たちが藩の擁護のもとで技術を研鑽して唐津焼のスタイルを確立させました。
はじめのころは主に日用雑器が作られていましたが、素朴さと侘びが兼ね備わっていたため次第に茶器などの茶道具としても用いられるようになり、桃山時代には数々の名品を生み出すまでになりました。
明治時代になると、唐津焼は藩の擁護もなくなり一時は衰退しましたが先人たちの努力により、現在では復興し伝統的な技法を継承するかたわら、新しい試みを行うなど着実な進歩を遂げています。